続きは、次のコーラスで
2025年12月28日
長い。長すぎるよ。ベートーヴェン。
12月7日、取手市民会館大ホール。
2025取手•守谷第九演奏会が行われた。
私の患者さん(Sさん)が出演されると言う。
御主人が50歳代で脳梗塞を発症されお体が御不自由になり、その後30年間介護をされてきた。
御主人は8ヶ月前に亡くなられたが悔いは全くないと言う。御主人もお幸せな最期だったろう。
今、庭で家庭菜園と子供の頃から続けているコーラスに没頭する事が一番の喜びとおっしゃる。
じっとしている時間がもったいないんだろうなと思える程アクティブだ。
その日どうしても午後3時半に用が入っており、午後2時開演だから1時間くらいは歌声を聞けるなと考えながら会場に入った。
佐藤雄一氏指揮による交響楽団の演奏から始まった。
美しい音色に酔ったが、いつまで経っても合唱が始まらない。
曲の山場を迎え、終わるかなと思い拍手しようと思うとまた静かな曲調に戻り、何回も繰り返す。
音楽の素養のない私には、悲しいかな、そうとしか聴こえなかった。
あっという間に3時10分前になり、ようやくコーラス隊が登場した。
前例3番目、白いブラウスに黒のロングスカートがお似合いのにこやかでキラキラとした表情のSさんを発見した。
だがまだ演奏は続く。
私は後ろ髪を引かれながらも、会場を後にするしかなかった。
翌日、Sさんが見えて、昨日はごめんなさい、と謝ったが、聞けばその後まだ演奏は続き、しかも合唱を含め演奏のすべてがベートーヴェンの第九だとの事。浅はかだった。
深い。長いけど深かったのだ。ベートーヴェン。
次回4月にまたコーラスがあるとの事で、この次は時間に余裕を持って、しっかりとSさんの美声のソプラノを聴きに行こうと決めた。